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設計事務所に建物を依頼する方法 #05|実施設計編:納まりを詰めて、工事できる図面に仕上げる

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【結論】

実施設計は、基本設計で整えた「骨格」を、
「納まり」まで含めて「工事ができるレベルの図面」に仕上げる段階です。

仕上げ材や寸法、建具や設備の取り合いを一つずつ詰め、施工会社さんが迷わず手を動かせる状態に整えます。
同時に、構造・設備・省エネ計画を「外部専門家」と連携して進め、
図面同士の整合を取りながら、設計事務所が用意する「図面一式」として施工業者さんに提出します。

 

【実施設計で整えること】

基本設計が「方向性と骨格」だとしたら、実施設計は「実行のための地図」です。
この段階では、次の2つを同時に進めます。

1)「外部専門家」(構造・設備・省エネ)との連携
基本設計をもとに、構造・設備・省エネ計画を「外部専門家」と連携して進めます。
※着手前に各外注先の見積を取得し、お施主さまに金額をご確認いただいたうえで進行します。

2)「納まり」を詰めて、「工事が可能な図面」に仕上げる
外装・内装の仕上げや「詳細図面」を含め、実際の工事が可能なレベルの図面に仕上げていきます。

外注図面と自社図面の整合を確認し、設計事務所が用意する「図面一式」として施工業者さんに提出します。

 

【ここで詰めること(「納まり」の対象)】

実施設計で決めることは多岐に渡りますから、
「どこの納まりを詰めているか」を項目ごとに整理すると判りやすいです。

私の経験上、多くの設計事務所で自社オリジナルの「決め事」をまとめたリストを用意しています。
パッと見ると、「こんなに決めることがあるのか…」とうんざりしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

年間の着工頭数が多いハウスメーカーさんや工務店さんの場合は、
その辺りを「標準仕様」という言葉でパッケージ化していることも多いです。

ただ、設計事務所に依頼される場合は、良くも悪くもそういった概念がなく、
あくまで物件の数だけ仕様が異なります。

ですから、「建物を買う」という感覚ではなく、
「建物を作る」という視点で打合せに参加されることをお勧めいたします。

私はこの部分が設計事務所に依頼される醍醐味の一つだと思っています。
一つずつ確認しながら進めることで、お施主さまの中でも
「空間のイメージ解像度」が上がっていくことを感じていただけるはずです。

私たちの場合も、もちろん「全ての項目」について確認します。
ただ、世の中には星の数ほど建材や資材があり、「納まり」もさまざまです。

その組み合わせの決定をすべてお施主さまに委ねることは、
時に少し乱暴になってしまうこともあります。
ですから、要所では、こちらから「おすすめ」もご案内しながら進めます。

1)外装の「納まり」
外壁・屋根・バルコニー・庇、断熱、外部の取り合い。
サッシやガラス性能、玄関扉の開き勝手も含めて、外皮の「納まり」を整えます。

2)内装の「納まり」
床・壁・天井、階段、手すり、腰壁、内部建具、収納内部、造作家具。
キッチン・浴室・洗面・トイレなどの水まわりは、特に「使い勝手」を見極めながら詰めていきます。

3)構造の「納まり」
耐力壁の位置、構造材を見せる箇所(化粧柱など)を確認し、
「空間で表現したいこと」を、無理なく、そして美しく実現できる構造計画になっているかを確認します。

4)電気の「納まり」
照明器具、スイッチ・コンセントの位置と高さ。
ドライヤーや電子レンジなど、消費電力が大きいものをどこに差し込むかなど、
生活者の視点もきっちり落とし込むことが重要です。

電気自動車の充電の有無、光回線や地上波、CS、BS、スカパーなどの機器の位置まで整理します。
高層建築の場合は、電波障害の調査など、近隣への配慮も念入りに行います。

造作家具にコンセントやUSBの差込口などを設けるケースもよくあります。
その他電気式の床暖房なども含めて、日常の「納まり」を詰めます。

5)給排水・空調の「納まり」
水栓やリモコン位置、給水の引き込み、排水本管への接続、
エアコン位置(先行配管・エアコンを隠すか等)、換気、給気口。
設備は後から動かしづらいので、しっかりと確認します。

6)外構の「納まり」
ポーチ・駐車スペース、塀、インターホンやポスト、
植栽、設備機器(エアコンの室外機や給湯器等)の位置といった、外構関係も整理します。

※このほか、「法規」の最終確認、家具・家電、施主支給品、施主工事についても、必要に応じて整理します。

 

【実施設計のポイント:「図面同士をつなぐ」】

「納まり」は、単体で美しくても、「図面同士」がつながっていなければ成立しません。

  • 意匠(自社図面)
  • 構造(外部専門家)
  • 設備(外部専門家)
  • 省エネ(外部専門家)

それぞれの図面が矛盾なくつながって初めて、施工会社さんが迷わず工事できます。
私たちは、外注図面と自社図面の整合を確認しながら、最終図面としてまとめ上げます。

 

【費用のタイミング】

実施設計が完了したタイミングで、
3回目のご請求(「実施設計完了時」)が発生します(詳細は個別にご案内します)。

 

【次の一歩(#06予告)】

実施設計が整ったら、次は「工事本見積・施工業者選定・金額調整」です。
次回 #06では、「見積の取り方」「比較のポイント」「金額調整(VE)」をどう進めるかを整理します。

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