私たちが大切にしていること Pholosophy
09 生涯に寄り添う設計について
住み替えず、住み継ぐ。
制度の変化と、暮らしへの影響
令和7年4月(2025年4月)以降、
- 木造2階建て
- 200㎡(約60坪)を超える平屋
に対する安全性・省エネ性の審査は、これまで以上に細やかで丁寧になりました。暮らしの安心と地球環境のために、私たちはこの流れを前向きに受け止めています。
一方でこの法改正は、既存住宅にも性能確保を求める場面を増やし、大規模リフォームやリノベーションの費用・期間の負担を確かに大きくしました。
ここに、私たちは危機感を抱いています。
家族のかたちの変化に、家が寄り添うために
働き方の変化、子の独立、親の介護、お孫さんの誕生——。
家族のかたちは移ろい、住まいは本来、その変化に寄り添って少しずつ手を入れながら育てていくもの。にもかかわらず、手を加えるハードルが以前より高くなりつつあります。
「あとで困らない設計」を標準に
この大きな流れの中で、私たちは完成後の10年・20年を見据えた設計を標準とします。
増築・改築・大規模な模様替え・大規模修繕を見据え、構造や設備に“見えない余白”を最初から仕込みます。
たとえば——
- 間取り変更の受け代となる構造の余力
- 将来の配管・電気の通り道(点検・更新のしやすさ)
- 断熱・換気の拡張余地
- 段差解消や手すりの下地
目に触れにくい部分ほど、将来に効く工夫を丁寧に重ねます。
お引き渡し後も、設計者として伴走します
お引き渡し時には、竣工図と将来計画の要点をまとめた「ライフプラン・メモ」をお渡しします。
その後は工務店さんの点検・保証に寄り添いながら、私たちは設計面の判断材料(改修の選択肢、法制度の要点)をわかりやすく提示。
節目ごとの意思決定に並走し、最適な手立てを一緒に考えます。
壊す前に活かし、住み継ぐ
人口減少が進み、壊しては建てる循環の限界が見え始めた今。
私たちの答えは——壊す前に活かし、住み替えずに住み継ぐこと。
新築も改修も同じ目線で、将来の選択肢を減らさない設計を。
建てて終わりではなく、暮らしが続くかぎり寄り添う——
それが、私たちの、お施主さまへの付き合い方です。
思いが環(めぐ)り、心が還る場所へ。