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設計事務所に建物を依頼する方法 #05|実施設計編:納まりを詰めて、工事できる図面に仕上げる
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【結論】
実施設計は、基本設計で整えた「骨格」を、納まりまで含めて工事ができるレベルの図面に仕上げる段階です。
仕上げ材や寸法、建具や設備の取り合いを一つずつ詰め、施工会社さんが迷わず手を動かせる状態に整えます。
同時に、構造・設備・省エネ計画を外部専門家と連携して進め、図面同士の整合を取りながら、最終的な施工図面を施工業者さんに提出します。
【実施設計で整えること】
基本設計が「方向性と骨格」だとしたら、実施設計は実行のための設計です。
この段階では、次の2つを同時に進めます。
1)外部専門家(構造・設備・省エネ)との連携
基本設計をもとに、構造・設備・省エネ計画を外部専門家と連携して進めます。
※着手前に各外注先の見積を取得し、お施主さまに金額をご確認いただいたうえで進行します。
2)納まりを詰めて、工事が可能な図面に仕上げる
外装・内装の仕上げや詳細図面を含め、実際の工事が可能なレベルの図面に仕上げていきます。
外注図面と自社図面の整合を確認し、最終的な施工図面を施工業者さんに提出します。
【ここで詰めること(納まりの対象)】
実施設計で決めることは多いのですが、「どこの納まりを詰めているか」で整理すると見通しが良くなります。
1)外装の納まり
外壁・屋根・バルコニー・庇、断熱、外部の取り合い。
サッシやガラス性能、玄関扉の開き勝手も含めて、外皮の納まりを整えます。
あわせて、ポーチ・駐車スペース・敷地の境界まわり、塀、インターホンやポスト、植栽、設備機器(室外機等)の位置も整理します。
2)内装の納まり
床・壁・天井、階段、手すり、腰壁、内部建具、収納内部、造作家具。
キッチン・浴室・洗面・トイレなど水まわりも、使い勝手とデザインが両立するように詰めていきます。
3)構造の確認
耐力壁の位置、構造材を見せる箇所(化粧柱など)を確認し、
空間で表現したいことを、無理なく、そして美しく実現することができる構造計画になっているかを確認します。
4)電気の納まり
照明器具、スイッチ・コンセントの位置と高さ、
電気自動車の充電の有無、光回線や地上波、CS、BS、スカパーなどの機器の位置まで整理します。
造作家具まわりや床暖房なども含めて、日常の納まりを詰めます。
5)給排水・空調の納まり
水栓やリモコン位置、給水引き込み、エアコン位置(先行配管・ガラリ等)、換気、給気口。
設備は後から動かしづらいので、先に納まりを揃えることが重要です。
※このほか、法規の最終確認、家具・家電、施主支給品、施主工事についても、必要に応じて整理します。
【実施設計のポイント:図面同士を「つなぐ」】
納まりは、単体で美しくても、図面同士がつながっていなければ成立しません。
- 意匠(自社図面)
- 構造(外部専門家)
- 設備(外部専門家)
- 省エネ(外部専門家)
それぞれの図面が矛盾なくつながって初めて、施工会社さんが迷わず工事できます。
私たちは、外注図面と自社図面の整合を確認しながら、最終図面としてまとめ上げます。
【費用のタイミング】
実施設計が完了したタイミングで、3回目のご請求(実施設計完了時)が発生します(詳細は個別にご案内します)。
【次の一歩(#06予告)】
実施設計が整ったら、次は「工事本見積・施工業者選定・金額調整」です。
次回 #06では、見積の取り方、比較のポイント、金額調整(VE)をどう進めるかを整理します。
