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設計事務所に建物を依頼する方法 #04|基本設計編:何を決めて、いつ概算を整える?
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【結論】
基本設計は、建物全体のイメージを「図面・模型・イメージ資料など」で具体化しながら、
概算見積の土台をつくる段階です。
ここでの目的は、細部を決め切ることではなく、
次の工程(実施設計)に進めるだけの「骨格」と「予算感」を揃えることにあります。
【基本設計で整えること】
基本設計で先に揃えるのは、仕上げの細部ではありません。
まずは、建物の「骨格」を整えます。
この段階で、生活や運用をする上で最低限必要なものは、すべて図面に盛り込みます。
【検討のしかた:図面だけで決めない】
図面・模型・イメージ資料などを活用しながら、建物全体のイメージを具体化していきます。
ファーストプランに対する追加のご要望などにも、丁寧に対応いたします。
そのうえで、必要に応じて次のような確認機会も設けます。
- 既製品の住宅設備を検討される場合:メーカー候補をご案内し、ショールーム見学をサポートします
- 照明についても、実際の明るさや色味を体感いただく機会を設けます
そのほか、採用する仕上げのサンプルを取り寄せて、実物を確認していただいてから、見積を依頼するようにしています。
「カタログで選ぶ」ではなく、実物に触れて、手触り・足触りなどを確かめる。
この積み重ねが、完成時の納得感につながります。
また、過去に竣工した物件について、お施主さまの了承を得られる場合には、
計画中のお施主さまをご案内し、実際の空間を体感していただく場を設けることもあります。
最低限はサンプルで確認し、さらに望ましいのは、体感を通してヒューマンスケールで仕上げを確認する。
基本設計は、そうした判断材料を揃えていく工程でもあります。
また、必要に応じてこの段階から、構造家にも相談しながら「無理のない構造計画の方向性」を確認します。
【概算を整える流れ】
基本設計で整えた内容をまとめ、概算見積用図面を作成し、施工業者さんに概算見積を依頼いたします。
このタイミングで、2回目のご請求(基本設計完了時)が発生します(詳細は個別にご案内します)。
概算見積が出てきたら、私たちは次のことを行います。
- 見積書の精査
- 必要に応じた質疑応答
- 内容の整理とご報告
ここで強調しておきたいのは、概算は「金額の確定」ではないということです。
概算の目的は、次の段階に進む前に、この方向で進めた場合のおおよその予算感を共有すること。
計画の進め方を「現実に即したもの」に整えるための、大切な節目です。
(見積期間の目安:約3週間 ※規模・内容により前後します)
【施工業者さんについて】
この段階では、私が普段から信頼関係を築いている施工業者さんを一社ご紹介しております。
設計意図を的確に汲み取り、丁寧に対応してくださる方々ですので、安心してお任せいただけると思います。
なお、お施主さまのご都合やお付き合いの関係で、
施工をお願いしたい業者さんがすでに決まっている場合もあるかと思います。
その場合は、ご指定の施工業者さんにご依頼することも可能ですので、遠慮なくお申し付けください。
【概算が予算と合わないとき】
概算が予算を上回る場合は、減額提案を行います。
下回る場合は、仕様の充実を含めて検討します。
大切なのは、次の段階に進む前に、
「この方向で進めるなら、このくらいの予算感になる」という共通認識を持つこと。
ここが揃うと、実施設計での判断がぶれにくくなります。
【次の一歩(#05予告)】
基本設計で骨格と概算の土台が整ったら、次は「実施設計」です。
次回 #05では、外部専門家(構造・設備・省エネ等)との連携も含めて、
図面を「工事ができるレベル」まで仕上げていく流れを整理します。
