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設計事務所に建物を依頼する方法 #02|提案編:コンセプトと建物の輪郭を揃える
Guide
【結論】
私たちの提案は、「どれが好きですか?」と案を並べるものではありません。
私たちが提案でお渡しするのは、
「お施主さまのご要望を、この場所に成立させるための、最もふさわしい姿、形」です。
そのために、土地や周辺環境に丁寧に向き合い、
風土や歴史という前提に、ご要望を編み込んで、
「この場所にしか生まれ得ない固有の佇まい」を計画します。
そして、その考えを「伝わる形」にするために、
図面やパース(必要に応じて模型)を用いて、同じ景色を共有していきます。
だからこそ提案は、まとまった時間と作業を要するため、有償でお受けしています。
期間の目安は2週間〜4週間程度です。
【提案で分かること】
私たちが提案で大切にしているのは、
その土地や周辺環境、風土や歴史に丁寧に向き合い、そこにお施主さまのご要望を編み込みながら、
「この場所にしか生まれ得ない固有の佇まい」を計画することです。
そして提案とは、その考えを「伝わる形」にするために、図面やパース、必要に応じて模型を用いながら、
「同じ景色」を共有していく工程だと考えています。
その結果として、
「この土地で、どんな建物が無理なく成立するか」を、目で見て共有できる状態にしていきます。
たとえば、提案で輪郭が揃うのは次のような点です。
- この敷地で、無理なく成立する建物の骨格(規模感/配置/動線)
- なぜこの配置・この形になるのかという理由(光・風・音・視線の整理)
- 課題があるなら、どこが課題で、どう解けそうかという見立て
- 次の検討に進むための判断材料(何が守る部分で、何が変えられる部分か)
【私たちの提案=コンセプトの共有】
私たちの提案は、図面を描く前から設計が始まっています。
対話とリサーチを重ねて、設計の糸口となるキッカケを見つけ出し、それを「コンセプト」として言葉にします。
このコンセプトは、私たちにとって「種」です。
初回提案でこの「種」が定まると、以降の設計は、そこから一貫して育っていきます。
そして初回の提案では、混乱が起きやすいポイントである
「何を守り、何を調整できるか」を、言葉と図で明確にし、お施主さまとの認識を揃えることに注力します。
- 守ること(ここを変えてしまうと、コンセプトが揺らぐ部分)
- 調整できること(好みに合わせて動かしても、コンセプトへの影響が少ない部分)
提案までの主なプロセスは、次のとおりです。
- ヒアリングの整理(お施主さまのご要望を言葉にし、優先順位を整える)
- 敷地の読み解き(風・光・音・視線など、その場所の前提条件を把握する)
- 法規の読み解き(成立条件を確認し、計画の輪郭を掴む)
- スタディ(反復しながら、コンセプトにふさわしい佇まいへ絞り込む)
- 作図(提案図面として成立させる)
- パース作成(空間の体感を共有する)
- (必要に応じて)模型作成
【提案の段階で、決めなくていいこと】
提案の場で、すべてを確定する必要はありません。
この段階では、まず計画の骨格とコンセプトを共有し、細部は必要な順番で詰めていきます。
たとえば、次のようなことは提案時点で決めきらなくて構いません。
- 仕上げや設備の細部
- 寸法の微調整
- 仕様の最終確定
そして、もし初回提案にご納得いただけない場合は、
状況をもう一度整理するところから、再ヒアリング・再提案にも対応します(進め方は状況により調整します)。
【土地をお探しの場合】
土地探しが必要な場合は、不動産会社さんと連携しながら進めます。
- 必要に応じて、不動産会社さんからの情報提供を受けながら候補地をご案内できます
- ご希望に応じて土地のご案内に同行し、建築家の視点でアドバイスします
土地を見ると、つい立地や価格に目が行きがちです。
ただ実際には、土地そのものではなく、そこに建つ建物と、その使い方(運用)が本題になります。
だからこそ、提案の前に一度、建築の目で整理しておくことが大切です。
(※Guide 01:土地は「買う前」に、一度だけ“建築の目”で整理する に詳しく載せています。)
【次の一歩(#03予告)】
提案を見て「この方向で進めたい」と感じていただけたら、次は設計監理契約です。
次回 #03では、契約で何が決まり、設計事務所の報酬が「何に対して支払われるものなのか」を整理します。
