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設計事務所に建物を依頼する方法 01|相談編:分かること、決めなくていいこと
Guide
【結論】
設計事務所への相談は、基本的に無料です。
私たちも同じく無料でお受けしています。
設計事務所って、少し閉ざされた印象があって、敷居が高く感じることもありますよね。
住宅展示場に「まずは見てみよう」と立ち寄る感覚で、まずは話を聞きに来てください。
もしよければ、事前にWebサイトを見て、気になったことや聞いてみたいことを1つだけ持ってきてください。
「どんな建築を大切にしているのか」「どこまで任せられるのか」など、そこから会話が早く深くなります。
【相談で分かること】
相談で大切にしているのは、結論を急ぐことではありません。
たとえば、相談の場で整理できるのは次の3つです。
- 相談から引渡しまでの「全体像」の把握(今ここにいます/次にこう進みます)
- 用途(住宅/店舗/事務所など)
- 建物を計画したい理由(今の暮らし・働き方で不便に感じていること/変えたいこと)
「私たちに依頼すると何が違うのか」
「工務店さんやハウスメーカーさんと、どう違うのか」
そんな疑問を、信頼できる情報として整理する場としても使ってください。
比較のために来ていただいて構いません。
【その場で決めなくていいこと】
相談の段階で、要望や条件がまだ固まっていなくても構いません。
むしろ、早い段階で決め切ってしまうと、あとから整合を取るために無理が出やすくなります。
よくある「立ち止まりポイント」は、ここです。
- 間取りや部屋数、広さがまとまっていない
- 理想のイメージが言語化できていない
- 土地が決まっていない
これらは、相談の場でも、まして相談前に決める必要もありません。
相談で先に整えたいのは、間取りではなく判断の順番です。
私たちはまず、
- 何を守るか(譲れないもの)
- 何を変えられるか(状況で動かせるもの)
- 何が不安か(引っかかっている点)
この3つを言葉にして、計画の土台を整えます。
土台が整うと、次に何をすればいいかが自然に見えてきますから、不安も軽くなると思います。
【当事務所のスタンス】
私たちがその場で契約を迫ることは、まずありません。
よくあるアンケートも、用意しておりません。
過去には、お会いしたその日に、まだ提案もしていない段階で「契約したい」と言っていただいたことがあります。
とても驚いたのを今でも覚えています。
当然、どうして選んでくださるのでしょうか?
そう質問をお返ししたところ、お施主さまからはこんな言葉が返ってきました。
「空間の巧さより先に、この人なら言葉にできない部分まで受け取ってくれそうだと思った」と。
設計者は、空間に実直に向き合うことと、お施主さまに誠実に向き合うこと。
この両輪が揃って、はじめて信頼を得るのだと思っていました(今もこの姿勢は変わっていません)。
その一方で、こんなふうに選んでいただけることもあるのだな、と。
ふと実感した瞬間でした。
私たちのスタンスを表す、ひとつの代表的なエピソードだと思っています。
私たちは、難しいことを難しいままにせず、噛み砕いてお伝えすることを大切にしています。
状況を一緒に整理しながら、進め方の輪郭を整えていきます。
【次の一歩(02予告)】
「提案を見てみたい」と思っていただけたら、次はヒアリングと敷地の読み解きへ。
次回 02|提案編 では、提案がどんな工程でつくられ、どんな内容をお渡しするのかをご案内します。
