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建築への向き合い方について

Column

03|建築への向き合い方について

敷地の境界線は、地面には描かれていません。

図面の上では、敷地は一本の線で区切られる。
けれど現地に立つと、地面は何事もなかったように続き、隣地へ、道へ、川へ、山へ——静かにつながっている。
その連なりの中に、土地は少しずつ“物語”を滲ませています。

風が抜ける場所、光が落ちる角度、雨上がりに水が残るところ。
人が歩いてきた道筋、土地の名に残る過去。

目に見える条件だけでなく、そこに積もってきたものを拾い集めるほどに、その場所の輪郭が立ち上がってくる。
私たちが建築を考えるとき、まず確かめたいのはその輪郭です。

建築は、単に敷地に建物を置くことではありません。
地勢や環境の一部として、そこに新しい「場」をつくる営みだと考えています。

風土と歴史に向き合う

地球を見下ろしたとき、大陸に国境は描かれていません。
同じように、敷地の境界も地面には描かれていない。
だからこそ私たちは、敷地の内側にとどまりません。
周辺のあらゆる環境、その地域の風土や文化、歴史の流れにまで耳を澄ませます。
それらを丹念に集め、咀嚼し、解釈して、
その場所でしか生まれ得ない固有の佇まいを追い求めています。

協奏の循環を育む

お施主さまとの協奏から生まれた構想が、
やがて私たちの手を離れ、土に根を下ろし、地域の風景の一部となったとき——
今度はその建築が、私たちに代わって地形や風土と響き合い、
新たな街並みや文化を育んでいく。
そんな『協奏の循環』を生み出したいのです。

建築家の仕事は、建物づくりにとどまらない

建築は、やがてその地の風景となり、
いつしか人々の記憶に寄り添い、暮らしを支える背景になっていきます。
人の一生に寄り添う建築を考える者として、
共に夢を描く人々の想いを受け止めながら、
その土地にふさわしい「場」を形にしていきます。

未来へとつながる風景のために

静かに、確かに、育む。
未来へとつながる風景を、私たちはつくっていきます。
あなたの土地には、どんな物語が息づいているでしょうか。
そして、その場所に残したい風景は、どんな姿でしょうか。


思いが環(めぐ)り、心が還る場所へ。

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